世界中を旅するコーヒー豆!?コーヒー豆の流通を解説!

投稿者 :BANEMO on

普段何気なく手に取っているコーヒー豆。実は、想像するよりもずっと壮大な旅を経て皆さんの元へ届けられているってご存知でしたか?

今回はそんなコーヒー豆の冒険についてご紹介していきたいと思います。

 

  • コーヒー豆の流通についての基本知識

一般的に、コーヒー豆が輸入され店頭に並ぶまでには次のようなステップを経ています。

  • 農園:収穫
  • 精製所:精製
  • 仲介業者(もしくは農協など):検査等必ずしも経由するわけではない
  • 輸出業者:輸出
  • 商社:輸入、保管
  • 焙煎所:焙煎
  • カフェ、店舗:販売

各工程について詳しく説明していきます。

 

 

・1→2 農園から精製所へ

まずは、コーヒー豆(「コーヒーの木」に成る果実の種子)が農園で収穫されます。

コーヒーの産地は世界中に存在していて、その豆の品種名にもなっているように、グアテマラ、コロンビア、ブラジルなどの中南米系、エチオピア・ケニア・ルワンダなどのアフリカ系、ベトナム、インドネシアなどの東南アジア系の品種があります。標高が高い地域ほど美味しく育つため山奥で育てられることが多いです。

一般的な工業系の輸出品を製造する工場などは、港に近い地域にあることが多いため、この時点で通常の輸出品よりもコーヒー豆の流通は大変だということがうかがえますね。

収穫された豆は農園から精製所へと運ばれます。精製所では、コーヒーチェリー(果実の状態)を皮剥きし、一度発酵させて洗浄。その後、乾燥されてやっと「生豆」の状態になります。

アフリカなどでは、数百トンを一度に精製する工場も存在しますが、独自の設備を持った小さな農園もあります。

 

 

・2→3、4  精製所から輸出業者へ

精製所で3週間ほど乾燥され完成した生豆は世界各国へと運ばれるために輸出業者へと引き継がれます。

輸出業者は精製所から買い取った豆の売り先や輸出の手続きを行います。農園や精製所が直接バイヤーや商社と繋がっていることは少ないためです。

場合によっては、仲介業者や農協によって取りまとめられてから輸入業者が引き取ることもあります。基本的には、この輸出業者の倉庫へ世界のバイヤーや商社がやってきて豆のテイスティング、価格確認を行い売買契約を結びます。

 

 

・4→5 輸出業者から商社へ

今度は、売買契約した豆を商社の倉庫へと運びます。コーヒー豆の産地は世界中に点在しているため、船で輸送される期間はおよそ1ヶ月程度。

港で検疫などの手続きを終えた生豆はトラックなどを使って陸路で商社の倉庫まで搬送します。

この時点で、生豆の価格は、現地での購入価格、輸送費、倉庫費などを合わせて1000円/kg程になっています。

スペシャルティコーヒーの場合

 

 

・5→6 商社から焙煎所へ

次はいよいよ国内の焙煎所(ロースター)へコーヒー豆が届きます。商社が開催しているテイスティング会やサンプルチェックなどを経て、ロースターは生豆の状態で欲しい銘柄を選択して購入、自社で焙煎を行います。

近年流行している「サードウェーブコーヒー」などもこのロースターにあたります。

焙煎の過程を経て加工されたコーヒー豆は、いよいよ商品と成るわけですが、この時点で加工費を合わせて 4000円/kg 程までに値段が上がることも。

100gずつなどの小売販売の場合は、さらにパッケージ費用なども含み 8000円/kg 程の値段が付くなんて事もあるのです。

 

 

・6→7 焙煎所からカフェへ

カフェなどの飲食店では、ロースターから仕入れた豆をドリンクの状態にして販売します。

私たちが普段飲んでいるコーヒーは、コンビニであってもカフェでも自販機でもどこかで誰かが焙煎した豆を使っているわけです。

豆を仕入れ、挽き(粉末にする)、抽出の工程を経て最終的に私たちの口に入る時には、その手間も加わり、 30000円/kg 程までに値段が上がっています。最終段階で人の手間が加わるため人件費が発生することが原因です。ドリンクの状態にするとコーヒーは一気に値段が上がるというわけですね。

各コーヒーショップは、いわゆるアパレルのセレクトショップと同じでコーヒー豆を独自の目線で評価、選定し自社焙煎という付加価値をつけて私たちに提供してくれているため、量販店の物よりも高い値段がついているということになります。

 

 

  • まとめ

コーヒー豆の流通について、詳しく解説してきましたがいかがでしたでしょうか。海外から輸入されてくるからにはそれなりに大変なんだろうな、ということはみなさん思い至ったかと思います。

 

しかし、冒頭でコーヒー豆の流通を「旅」「冒険」と表現したように、コーヒー豆は収穫されて送られてくるという単純な物では無いということがお分かりいただけたかと思います。

 

日本人にとって今では当たり前のように生活に馴染みのあるコーヒーですが、私たちの知らないところでこんなにも多くの人の手を渡って私たちのところまで届けられているということに壮大な物語を感じていただければ幸いです。

コーヒーショップの豆を見て、「ちょっと高いな」なんて思うことが筆者もよくありますが、たくさんの人に感謝の気持ちを持って気持ちよく買ってあげることでコーヒーに携わる人全てが幸せになれたら良いなと思います。

 

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

 


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